2017年3月6日 デルフィ
タヴェルナ・ディオンで夕ご飯
アテネへ帰る

さて。デルフィからアテネへ帰る最終バスは18時45分。現在時刻は17時半。

アテネのホテルに着くのは夜22時を過ぎてしまいそうだったので、ちょっと早いけどデルフィで夜ごはんを食べてしまうことにした。

先ほど、お茶休憩で入った、「タヴェルナ・ヴァッコス(Taberna Vakchos)」が、味もおいしく、お店の雰囲気もよかったので、そこで夜ごはんを食べるべく戻ってみた。

すると、先ほども親切に対応してくれたウェイターさんが出てきて、申し訳なさそうに、シェフが出勤してくるのが18時以降だと言う。その前にメニューを決めておいたとしても、18時になってからお料理を作るのでは、18時45分のバスに乗るのは厳しいかもしれない。何せ私は、食べるのが遅い。

それにもまして、18時45分のバスは最終バス。万が一でもこれを逃すわけにはいかない。残念ながら、「タヴェルナ・ヴァッコス(Taberna Vakchos)」で食事をするのは諦めるしかなさそうだ。

そこで、他にも調べておいた、「タヴェルナ・ディオン(Taverna DION)」というお店に行ってみた。

タヴェルナ・ディオン

タヴェルナ・ディオン

このケンタッキーおじさんを地中海風(?)にした感じのオヤジ人形が目印のお店。

すると、店内では、このオヤジの人形にそっくり(というかモデルなのか?)なオヤジが、売り上げ計算をしていた。「開いてますか?」と聞いてみると、「どうぞ、どうぞ!」とのこと。

さっきまで売り上げ計算オヤジだったオヤジは、瞬時にシェフオヤジに変身し、メニューを持ってきてくれた。

メニューを見ると、安っ!グリークサラダと、スタッフ野菜(肉を詰めた野菜)、グリーク・ヨーグルトのセットが€7!

他にもセットメニューがあったが、比較的早くできる料理をオーダーしたかったので、姉と2人で、このセットを1つと、あとはスープ、ムサカ(ギリシャ風グラタン。できあがっているものを温めることが多い)を頼み、シェアして食べることにした。

タヴェルナ・ディオン

急いで食べなければいけなかったので、写真はまとめて撮りました(ズボラ!)。まあ、私がカメラへの情熱と、なるべくゆっくり味わうことの情熱、どちらの方があるかというと、これは問う必要もないような問いなわけで…。

まあ急いで食べるといっても、私は本当に人より食べるのが遅いので、急いだところで人並みなのである。姉は比較的、普通に食べていた。

逆に急いで食べた結果、黙々と食べたので、意外としっかりと味わうことができたのである。庶民的な味つけであったが、風邪っぴきの身にしみる、やさしい味わいであった。ギリシャ料理って本当に、期待以上においしいのだ。

そして、最後に出てきたグリーク・ヨーグルト!

タヴェルナ・ディオン

これが!今まで食べたグリーク・ヨーグルトの中で一番おいしかった!ヨーグルトマニアの私が言うので間違いないよっ!ノドにいいと言われるハチミツがたっぷりかかっていて、私のノドの調子がおかしいことを、オヤジが気遣ってくれたかのようだよ!

ヨーグルトを食べている間に、オヤジが店から出て行った。会計は早めに済ませたいんだけど、すぐ戻ってくるかなあと思っていると、両手にオレンジを持って店内へ戻ってきた。「これはプレゼントです。持って帰って下さい」。

おおおっ!これは、私が風邪をひいていることを見越して(※たぶん違うよ)、ビタミンCたっぷりのオレンジを持ってきてくれたんだね!なぜ、オヤジにそんな神通力があるんだ!?

姉が言った。「このオヤジ、実は、オヤジに身をやつしたアポロンなんだよ。だから、さっきからハチミツとかビタミンCとか持ってきてくれるんだよ」。なるほどー!

確かにギリシャ神話の神々は、神話の中で、いろいろなものに変身する(『変身物語』なんて本が1冊あるほど、ギリシャ神話の変身ストーリーは多い)。これで、アポロンが我々をデルフィに引き留めた(前回のバスを逃した話をお読み下さい)理由がわかったよ!ハチミツやオレンジをくださるためだったんだね!アポロン(オヤジ)、ありがとうっ!

デルフィでもらったオレンジ

これがオヤジ(私たちの脳内ではアポロン)にもらったオレンジ(アテネに帰ってから食べた。非常においしかった!)。

オレンジを握りしめて、我々はタヴェルナ・ディオンを後にした。バスが出る5分前にはバス停に到着。

我々と同じように、16時のバスを逃した観光客はたくさんいるのではないかと思ったのだが、バスを待っている人は少数だった。我々は結構な負け組だったようだ。いや、おやじに身をやつしたアポロンに会えたんだから、勝ち組だね!

デルフィの猫ちゃん

バス停でのんびりしていた猫ちゃん。ギリシャは、どの町でも猫ちゃんが多い。

しかし、この猫ちゃんと遊べる余裕があるくらい、バスはなかなか来ない。デルフィは始発でないので、その前の町でモタモタしてしまっているのか、そもそもギリシャでは時刻表なんか信じてはいけないのか。

私は、ギリシャ哲学とかの影響で、ギリシャって結構真面目な国なんじゃないかと思っていたが、実際に行ってみると、ソクラテス!とか、アリストテレス!って感じは全然ない(どんな感じだ…)。

不真面目国として名高いイタリアよりも、さらにバスの遅れなどは多い気がする。南イタリアって感じかなあ。ただし、南イタリアみたいに、人なつこいタイプの人は少ない。南イタリアでも南端、シチリア島とは、全体として雰囲気が似ていると思う。シチリア島は、遠い昔は、古代ギリシャの一部みたいなものだったからかもしれない。

バスは10分以上遅れてやってきた。まあ、遅れてでも、来てくれただけでもヨシとしよう。これでアテネに帰れるのだから。

バイバイ、デルフィ。体調万全で来れなかったのは残念だったけど、本当にファンタスティックな場所であった。私のようなギリシャ神話好きにとっては、やはり一生に一度は足を運ばなければ気が済まない町であろう。

帰リのバスも、行きと同じように「Friendly cafe」という、友達感満載のカフェでトイレ休憩があった。この「Friendly cafe」は、デルフィ寄りにあるので、ここで休憩したあとは、アテネまでノンストップである。

バス内は空いていたので、風邪をなるべく早く治すためにも、私は座席をいくつか使って横になることにした。自分のリュックを枕にして、ダウンコートをかぶってゆったりと過ごした。

姉も同じように、横になった。16時のバスだったら満席だったので、こうやってゆったりとは乗れなかっただろう。そのために、アポロンが我々を引き留めてくれたんだね(このネタしつこい)!

しかし、後日談だが、このバスで寝転んだせいで、姉も私も身体のあちこちをダニか何かに食われまくった。数日間かゆくてかゆくてしょうがなかった。かゆみ止め薬なんて持ってきてないもんなー。次からギリシャに行くときは、まさかの虫刺され薬も必要だろうか、と思った次第であった。

ほとんど寝ていたので、あまり長く感じなかったが、バスがアテネに到着した時は、デルフィを出てから3時間以上が経過していた。デルフィ出発の時点で既にバスが遅れていたこともあり、アテネのリオシオン・バスターミナルに降り立ったときには、夜10時を軽く過ぎていた。

リオシオン・バスターミナルは、アテネの市街地からやや遠い場所にある。もうこの時間なので、遅いし暗いしで、タクシーで中心街のアパートホテルに戻る以外の選択肢はないだろう。タクシーの方も、夜遅い到着のバスを熟知していて、列をなして待機している。

タクシー乗り場の方へ行くと、なぜか運転手たちは、タクシーに乗って待機せずに、タクシーから降りて固まっている。そのうちの一人に、「どこまで?」と聞かれたので「シンタグマ広場」と答えると、あわてて、直前に走っていったタクシーを呼び止めようとしたが(なぜ?)、そのタクシーは行ってしまった。

姉と私が「???」という顔をしていると、「オーケー、オーケー」と、先頭のタクシーのドアを開けてくれて、ドライバーも乗り込んできた。しかし、なぜだかすぐには出発しない。

我々のすぐ後ろから、東洋人男性と西洋人女性のカップルがやってきた。さきほどのタクシー運転手集団が、このカップルの行き先を聞くと、我々が乗ったタクシーに乗せようとする。

東洋人男性の方が慎重で、なかなか乗り込んでこない。よくわからないけど、行き先がほとんど同じだから、相乗りさせてくれるのかな?そうだとしたら、タクシー運賃も半分で済むから助かるんだけど。

そこで、姉がこの東洋人男性に英語で、「私たちはシンタグマ広場まで行くんだけど、行き先が同じだったら同乗しませんか?ということだと思うんだけど」と言ってみたが、彼はシンタグマ広場を知らないと言う。アテネのほぼ中心だと言うと、半信半疑そうにしながらも、このカップルもタクシーに乗り込んできた。

それにしても、何で一緒に乗せるんだろう。相乗り割り勘であれば、私たち乗客は料金としては助かるけど、タクシー運転手にはメリットはないのでは?姉に「まさか、別々に料金取るつもりじゃないよね?」と言ってみると、姉は「もしそうでも、払わなきゃいいんだよ」と言う。

私は弱気に「えー。でも、こういう乗せ方するのがギリシャでは普通なのかもよ?」と言ってみたが、姉が「それじゃタクシーの意味ないでしょ。割り勘料金しか払わないよ」と強気。東洋人男性も、イマイチこの運転手を信頼していないと見え、スマホで自分たちの位置をしっかりチェックしていた。

かくして、シンタグマ広場に到着した。メーターは€6となっていたが、隣に€3の表示があり、これが深夜料金だと言う。ドライバーは、合計の€9を、我々と、カップル、別々に要求してきた!

しかし、この時、姉と東洋人男性が、「NO!」「NO WAY!」と強く叫んだ。この有無を言わさぬ感じはスゴカッタ。そこで、ドライバーもすぐに引き下がり、割り勘で€9、それぞれ€4.5ずつ払ってタクシーを降りた。

この時、私が一人だったら、要求された通り払ってしまっていたかもしれない。海外旅行では、ナメラレナイような、断固たる決意が必要だと、改めて感じたのであった。

それにしても、アテネのタクシーは、3年前に空港から利用した時にもぼられそうになったが、なかなか手強い。

あとで地球の歩き方を読むと(最初に読んでおきましょう)、こんなふうに相乗りさせて、別々に料金を払わせる行為はギリシャでは禁止されているそうだ。要求されても強く拒否すれば、相手の方に非があるのだから、引き下がるようなので、覚えておきましょ!